1年単位の変形労働時間制(1か月を超え、1年以内の期間を単位期間とする変形労働時間制)は、当該事業場の労使協定によって制度内容を定めることが必須の要件とされています(労働基準法32条の4)。
また、就業規則にも変形労働時間制に関する規定を設けるなどして変形労働時間制を労働契約の内容とすることが必要です。
労使協定では、対象期間内の労働日と各労働日の所定労働時間を定める必要があります。
その方法としては
(1)労使協定で対象期間全部について労働日と各労働日の所定労働時間を定めること
の他に
(2)対象期間を1か月以上の区分期間に分け、労使協定では最初の区分期間の労働日と各労働日の所定労働時間を定めるとともに、残りの区分期間については各期間の総労働日数と総所定労働時間を定めるに止め、各区分期間が開始する30日前までに、過半数組合又は過半数代表労働者の同意を得て、当該区分期間の労働日と各労働日の所定労働時間を書面で定めること
が認められています。
(1)の方法は事実上困難であることが多いでしょうし、(2)の方法は、区分期間ごとに過半数組合又は過半数代表労働者の同意が必要ですので、適法にこの制度を運用するのは容易なことではないといえます。